お知らせ

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ジュロウカンアオイの自生地調査

国内希少野生動植物種に指定されているジュロウカンアオイの自生地調査を行い生息状況等を調べました。



〇ジュロウカンアオイとは
ウマノスズクサ科の常緑の多年草で、ヒノキを植林した傾斜地のときどき日が差し込む林床に生えています。
日本の固有種で、似た仲間が日本には60種ほどありますが、ジュロウカンアオイは三重県のごく限られた地域にしかなく、
世界的にも貴重な存在です。



葉は数個つき、暗い緑色地に灰緑色の模様が入りますが模様は個体によりさまざまです。

真冬になると地際に目立たない花をつけます。花には花びらが無く、筒状になった萼の先が3つに分かれ花びらのように見えます。
筒状の萼を横から見た様子を七福神の一人の「寿老人」の頭になぞらえて、その名があります。
花粉の媒介や種子散布を担う生物など詳細な生態はまだわかっていません。


 

〇調査でわかったこと
・大きな株がなく、花を咲かせた株はほとんど無かった。
・芽生えたばかりの小さな苗は全くみられず、近年ほとんど種子繁殖していないようであった。
・ほとんどの場所でウラジロやヒサカキが密に繁茂し暗く、ジュロウカンアオイは貧弱な株ばかりだった。
・一年を通して気温は穏やかであることがわかった。
・様々な生物が周辺に出没することがわかったが、葉を食害する生物、花粉を媒介する生物はわからなかった。
・結実した個体は確認できなかった。そのため、種子散布を担う生物を調べることができなかった。


定点カメラが捉えた動物