お知らせ

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ムカゴサイシンの自生地調査

絶滅危惧種に指定されているムカゴサイシンの自生地調査を行い生息状況等を調べました。




ムカゴサイシン



〇ムカゴサイシンとは
落ち葉が積もった林床に生える小さな植物です。
光合成もしますが生育には地下にいる特定の菌との共生が必要で、種子からの発芽にも特定の菌が関与しています。
この特殊な生態のため現時点では一般の植物のように栽培増殖することができません。
花は初夏に咲きますがそのころは葉はなく、結実し種子を散布し終えた夏のころに1枚だけ葉を展開し、
その葉は冬の初めには枯れてしまいます。
福島県以南の本州、四国、九州、沖縄に分布していますが、確認例が少ない珍しい植物です。



ムカゴサイシンの葉

ハート形のやわらかい葉を広げています。
写真中に4株あります。

ムカゴサイシンの花

2009年5月に撮影。
花は地味で、あまり開きません。
背景に紛れて目立ちません。

生えている様子

まばらに生えたチヂミザサに紛れて
生えていました。慣れていないと
存在に気づきません。


 

〇調査でわかったこと
調査地は、かつて耕作されていた田畑と溜め池が隣接している場所で、かなり荒れていました。
周囲からモウソウチクが自生地に侵入し始めており、今後環境が大きく変わる恐れと、
イノシシの掘り返した跡も周辺にみられたことから株が損傷を受ける恐れも考えられます。
今後も調査を重ねて、環境の維持と、他所への移植や播種などの危険分散策を検討する必要があります。