お知らせ

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ウエマツソウ、ホンゴウソウの自生地調査

絶滅危惧種に指定されているウエマツソウ、ホンゴウソウの自生地調査を行い生息状況等を調べました。


ウエマツソウ

ウエマツソウ


ホンゴウソウ

ホンゴウソウ


〇ウエマツソウ、ホンゴウソウとは
どちらも主に薄暗い林床に生える小さな植物で、その体に葉緑素がないため光合成を行わず、
地下にいる特定の菌から養分を奪い生活をしています。
この特殊な生態のため現時点では一般の植物のように栽培増殖することができません。
花はとても小さくて径2㎜程度、草丈は大きくても10㎝前後、落ち葉の色と同化していて見つけることはとても困難です。
地下部はごく浅いところに広がっているため、伐採など周囲の環境の改変で林床が乾燥すると
生きていくことができず、存続が危ぶまれています。
花や実をつけるわずかな期間にしか地上に姿を現さないため、存在に気づかれることもなく、調査があまり進んでいない植物です。







ウエマツソウの様子

コジイやウラジロガシ、ヤブツバキなど
照葉樹の林床で咲いていました。周囲に
下草がほとんどみられない薄暗い場所。

ホンゴウソウの様子

コジイやシラカシなどの照葉樹林とスギ植林の
境界付近の薄暗い林床に生えていました。
どこに生えているのかわかりますか?

ウエマツソウの調査の様子

小さく目立たないので、慣れていないと
みつけるのが難しい。
誤って踏みつけないよう注意も必要。


 

〇調査でわかったこと
調査地は、崩落や道の整備による自生地の消滅、周辺の皆伐による環境の改変、
イノシシの掘り返しや人の踏みつけによる株の損傷などが起きる可能性があり、
他所への移植や播種により危険分散を図る必要があります。
今後さらに調査を重ね、移植や播種の候補地とその手法を検討する必要があります。